女性に最も身近ながん

わが国では、年間5万人以上が乳がんの診断を受けています。
ここ30年余りで5倍に増加し、女性がなるがんのなかでは、もっとも患者数がおおくなっています。いまでは女性の16人に一人が乳がんにかかる時代です。

乳がん羅患者数・死亡者数の年次推移

毎年新たにに乳がんになる人は増え続けており、1975年からの34年間で約5倍となっている。
がんによる死亡は微増で、一貫して4~5人に1人と低く抑えられている。

乳がん、は検診による早期発見、効果的な新薬の登場、乳がんのタイプ別治療法などの確立などで予後の改善を進められている。

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※がん診療を行う全国の1062医療機関を対象にアンケートを実施し、その内520施設から得た2009年1月~12月の新患者数
2009年羅患者数は「日経ヘルス、プルミエ」による「全国乳がん病院調査」より
そのほか、国立がん研究センターがん対策情報センター/「乳がん診療実態調査」より

発症のピーク

乳がんになる人は30歳くらいから増え始め、45~49歳でピークを迎えます。
その後は少しずつ減っていきますが、高齢者にも多く、80歳を過ぎて乳がんになる人もいます。乳がんのなかには女性ホルモンの一つエストロゲンによって成 長するものがありますため、下記に該当する方は注意必要です。

乳がんリスクファクター

【1】初潮が早い
【2】月経周期が短い
【3】閉経が遅い
【4】出産や授乳を経験していない
【5】高齢出産に該当 する

そのほか肥満や家族性・遺伝性といった要因も乳がんの発症にかかわっていると考えられています。

※グラフは国立がん研究センターがん対策情報センターのデータより作成

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乳がんが気になったら

乳がんが疑われると、しこりや病変の存在を視診・触診およびマンモグラフィ、超音波検査などの画像検査で確認します。疑わしいしこりや石灰化がみつかった ら、次にその部分の細胞や組織を採取して、顕微鏡でがん細胞があるかどうかを確かめる細胞診や組織疹を行います。その後、MRIやCTを行って、がんの進 行度や広がり具合を確認します。

乳がんの検診と診断の流れ

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マンモグラフィーによる検診と診断

2枚の透明な板(圧迫版)で上下・左右から乳房を強くおさえてX線撮影する。乳房からわきの下の部分までを取り、所要時間は衣類の着脱を含めて15分~20分かかる。

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個別化する治療方針

乳がんの治療は、手術療法、放射線療法、薬物療法を組み合わせて行います。
手術療法には、乳房部分切除術、乳房切除術があり、乳房切除術後に乳房を 再建する手術を行う方もいます。薬物療法には抗がん剤、分子標的薬剤、ホルモン剤があります。
がんの大きさ、リンパ節への転移の有無に加えて、現在では、 ホルモン受容体やHER2、Ki-67といったがんのタイプを知ったうえで、患者さん個人の価値観と照らし合わせて、個々の患者さんにあった治療法を選ぶ 段階に入っています。

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