SHOWA UNIVERSITY HOSPITAL BREAST CENTER
わが国では、年間5万人以上が乳がんの診断を受けています。
ここ30年余りで5倍に増加し、女性がなるがんのなかでは、もっとも患者数がおおくなっています。いまでは女性の16人に一人が乳がんにかかる時代です。
乳がんになる人は30歳くらいから増え始め、45~49歳でピークを迎えます。
その後は少しずつ減っていきますが、高齢者にも多く、80歳を過ぎて乳がんになる人もいます。乳がんのなかには女性ホルモンの一つエストロゲンによって成 長するものがありますため、下記に該当する方は注意必要です。
乳がんが疑われると、しこりや病変の存在を視診・触診およびマンモグラフィ、超音波検査などの画像検査で確認します。疑わしいしこりや石灰化がみつかった ら、次にその部分の細胞や組織を採取して、顕微鏡でがん細胞があるかどうかを確かめる細胞診や組織疹を行います。その後、MRIやCTを行って、がんの進 行度や広がり具合を確認します。
乳がんの治療は、手術療法、放射線療法、薬物療法を組み合わせて行います。
手術療法には、乳房部分切除術、乳房切除術があり、乳房切除術後に乳房を 再建する手術を行う方もいます。薬物療法には抗がん剤、分子標的薬剤、ホルモン剤があります。
がんの大きさ、リンパ節への転移の有無に加えて、現在では、 ホルモン受容体やHER2、Ki-67といったがんのタイプを知ったうえで、患者さん個人の価値観と照らし合わせて、個々の患者さんにあった治療法を選ぶ 段階に入っています。